ホリエモンが獄中で読んだといわれる、山崎豊子著「沈まぬ太陽」を読んだ。あまりの迫力に一気に読み終えてしまった。その中で、「bereaved]という英語が私の脳裏に突き刺さった。
いまから10年ほど前、第二次世界大戦終結50周年を迎え、静岡大空襲の慰霊祭が市内の浅間山の山頂で行われた。B29が2機接触事故で失われており、そのご遺族の方々や、B29搭乗員会の方も参列されていた。私も縁あって参加させていただき、式後の懇親会で多くのアメリカ側の参列者から、貴重なお話を伺うことができた。
なかでも二人の従弟を大戦中に失ったというアメリカのご婦人の話は、途中で私の胸がつまり、日本語に訳すことさえままならなかった。
ゆっくりかみしめるように話し始めた彼女によると、一人めは大戦初期オーストラリアから飛び立った従弟の乗るB26は日本の戦闘機に撃墜され、ソロモンの海底に沈んでしまった。そして終戦まであとわずか、というとき静岡上空で二人めを失う。
ご遺族の哀しみは戦争の勝敗に関係なく、重くのしかかり、どんなに月日が経とうと消えることはなく、逆に増幅されていくものだ、とおもいしらされた。
bereaved 遺族 surviving familyともいう。