何年か前、スポーツトレーナーの講習会に通い続けた。そこで熱心に通うR子さんと知り合った。
彼女は若く美しく、すらりと伸びた長い足が、印象的だった。半年くらいたったある日、彼女からこんな話を聞くことができた。
小、中学生のころはスケート選手として活躍し、かなりのレベルだったらしい。しかしバブル崩壊後、父親の経営する会社は倒産、そして両親の離婚、一家離散。彼女は高校進学をあきらめ、働きながら、学び続けた。
その後結婚し、一児をもうけるも、すぐにご主人は病死。しかしここからの彼女がすごい。暗さのみじんも感じられない。トレーナーという仕事に、徹底したプロ意識をもち、私はいつも迫力で圧倒された。
やはり厳しい練習に耐え、目標を持ち続ける強い意志が彼女を、支えているのだろうか。
久しぶりに会った彼女は、今でも、時々スケートを楽しんでいるようだった。「でも最近は、ころんでばっかり」と、大きなアザのできたヒザを見せながら、笑った。